監督:ヘンリー・ハサウェイ

「勇気ある追跡」の監督を務めたヘンリー・ハサウェイは、アメリカの映画監督です。プロデューサーとしても活動していました。冒険活劇や西部劇を得意としている監督で、フィルムノワールの分野で活躍しました。マリリン・モンローが主演した「ナイアガラ」や、ゲイリー・クーパーの「悪の花園」など、名作と呼ばれる作品を数多く残しています。

ヘンリー・ハサウェイの生涯

1989年3月13日、アメリカ合衆国カルフォルニア州サクラメントに生まれました。両親ともに俳優だったため、幼いころから映画に親しんでいました。1925年からヴィクター・フレミングやジョセフ・フォン・スタンバーグの元でアシスタントを務めるようになります。1932年、西部劇映画「砂漠の遺産」で監督デビューしました。この作品はスマートな二枚目スタートして西部劇を中心に活躍したランドルフ・スコットの初主演作でもありました。その後もランドルフ・スコットとはコンビを組み、計7本の西部劇と1本のコメディを制作しています。その途中から並行してゲイリー・クーパーと組んだ作品も制作しています。ゲイリー・クーパーと組んだ代表作では、メロドラマの「永遠に愛せよ」、冒険活劇の「ベンガルの槍騎兵」「暁の討伐隊」、少し後年の1954年にシネマスコープ西部劇「悪の花園」があります。「ベンガルの槍騎兵」では、アカデミー監督賞にノミネートされました。1936年にはヘンリー・フォンダ主演で西部劇「丘の一本松」を発表しました。この作品はテクニカラーで最初に野外撮影された作品でした。また1941年には「丘の羊飼い」でジョン・ウェインを主演に起用し、こちらもテクニカラーでの撮影でした。

フィルム・ノワールの時代

1940年代には、セミ・ドキュメンタリーにも分類されるフィルム・ノワールを幾つか制作しました。その1つ目の作品である1945年の「Gメン対間諜」はセミ・ドキュメンターの始祖的な作品とされています。ニューヨークで野外撮影した1947年の「死の接吻」は、フィルム・ノワール全体の中からも傑作とみなされています。リチャード・ウィドマークはこの作品がデビュー作であり、その鮮烈な殺し屋の演技でアカデミー助演男優賞にノミネートされました。翌1948年のジェームズ・シュチュワート主演の「出獄」や、1951年の「Fourteen Hours」も、この時期の代表的傑作です。

晩年

晩年にかけてはジョン・ウェインと組むことが最も多くなります。1957年のサハラ砂漠が舞台の異色の冒険活劇「失われたものゝ伝説」はジョン・ウェインの主宰するバトジャック・プロの第1回作品でした。独自の雄大でおおらかな西部劇の作風が始まったといえる1960年の「アラスカ魂」はジョン・ウェインとフランスの女優・キャプシーヌを共演させました。1964年にはニコラス・レイとフィリップ・ヨーダンの原案を、ベン・ヘクトが脚色したサミュエル・ブロンストン製作のの大作「サーカスの世界」をフランク・キャプラに代わって完成させました。1965年の「エルダー兄弟」はジョン・ウェインが肺がん手術後の復帰作で、大ヒットを記録しました。そして1969年の「勇気ある追跡」ではジョン・ウェインにアカデミー主演男優賞をもたらしたのでした。西部劇、冒険活劇、フィルム・ノワール、スパイ映画、戦争映画、歴史劇、ミステリー、サスペンス、コメディなどジャンルに限らず精力的に活動し、ハリウッドのスタジオからは重宝されました。一方で娯楽映画を作り続けた職人監督であったためか、ハサウェイ個人そのものはあまり評価されませんでした。遺作は1974年の「Hangup」で、最後の西部劇は1971年の「新・ガンヒルの決斗」でした。この作品の原題は「Shoot Out」であり、ジョン・スタージェスの「ガンヒルの決斗」とは全く関連はありません。グレゴリー・ペック主演で、6歳の少女とガンマンの交流を描く、「勇気ある追跡」の延長線上にある西部劇です。1984年2月11日、86歳で亡くなりました。

主な監督作品

  • 1935年「ベンガルの槍騎兵」・・・フランシス・イエーツ・ブラウンの小説を映画化した作品。インドの凶暴なアフリディ族を討伐に向かったイギリスの騎兵隊が、部族に攫われた仲間を助けるために戦うというストーリー。
  • 1963年「丘の一本松」・・・1914年・16年・23年にも映画化されたジョン・フォックスの小説を映画化した作品。パラマウント映画初の全篇テクニカラー劇映画となった。
  • 1942年「チャイナガール」・・・太平洋戦争中の日本占領下の中国で、日本軍に捕えられたアメリカ人記者が中国人女性と出会い恋に落ちる物語。日本では未公開。
  • 1945年「Gメン対間諜」・・・第二次世界大戦中のアメリカ国内を舞台に、機密情報を巡るナチス・ドイツのスパイ組織と連邦捜査局の諜報戦を描いた作品。セミドキュメンタリースタイルのパイオニアと言われている。
  • 1947年「死の接吻」・・・リチャード・ウィドマークのデビュー作となったノワール映画。エリアザー・エイプスキーの小説を原作としている。ウィドマークはこの作品でゴールデングローブ賞新人賞を受賞した。
  • 1951年「砂漠の鬼将軍」・・・デズモンド・ヤンフ准将の「砂漠の狐ロメル」を脚色した作品。第二次大戦でドイツの勇将とうたわれたロメル元帥の悲劇を描いている。
  • 1952年「人生模様」・・・オー・ヘンリーの5つの短編を、ヘンリー・ハサウェイ、ヘンリー・コスター、ジーン・ネグレスコ、ハワード・ホークス、ヘンリー・キングがそれぞれ監督したアンソロジー映画。
  • 1953年「ナイアガラ」・・・マリリン・モンロー主演のスリラー映画。「モンロー・ウォーク」を披露した作品で、彼女が歩く後ろ姿を映したシーンは映画史上最も長い歩行シーンとされている。
  • 1954年「悪の花園」・・・落盤事故にあった夫を助けてほしいと頼まれた4人の男たちが、インディアンと戦いながら女性を守りぬく様を描いたアクション映画。
  • 1960年「アラスカ魂」・・・1900年のゴールドラッシュに沸くアラスカを舞台にした痛快娯楽作品。金鉱を掘り当てた主人公が、採掘権を横取りしようとする悪漢と戦うというストーリー。
  • 1962年「西部開拓史」・・・アメリカ西部開拓時代の50年間を、ある開拓一家の視点から描いた叙事詩映画。これまで様々な西部劇映画に出演したスター級の俳優陣が端役に至るまで数多くキャスティングされた西部劇映画の集大成的存在。
  • 1965年「エルダー兄弟」・・・牧場を乗っ取り、父を殺した男に復讐すべく、4人の兄弟が立ち上がるという物語。
  • 1966年「ネバダ・スミス」・・・両親を殺された16歳の少年が、ネバダ・スミスと名を変えて3人の犯人に復讐していくというストーリー。
  • 1968年「5枚のカード」・・・レイ・ゴールデンの同名小説を原作とした、ミステリー・タッチの異色の西部劇。ゴールドラッシュに沸くリンコンの町の怪しげな牧師が現れ、愚連隊どもが次々に殺されていくというストーリー。
  • 1969年「勇気ある追跡」・・・父を殺された少女が、飲んだくれの保安官と真面目なレンジャーを仲間にして復讐を遂げるというストーリー。
  • 1971年「ロンメル軍団を叩け」・・・第二次世界大戦中の北アフリカ戦線を舞台に、イギリス軍コマンド舞台の活躍を描いた作品。戦闘シーンなど多くのシーンが1967年の映画「トブルク戦線」より流用されている。
  • 1971年「新・ガンヒルの決斗」・・・出獄したカウボーイが復讐のためにガンヒルの街にやってくるが、送金を頼んだ恋人から金とともに生意気な少女も押し付けられてしまい、少女とともに復讐の旅にでるという物語。
  • 1974年「Hangup」・・・ヘンリー・ハサウェイの遺作。
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