コーエン兄弟との共演:「ビッグ・リボウスキ」

映画「トゥルー・グリッド」での、コーエン兄弟監督、主演がジェフ・ブリッジスという組み合わせは、実は以前にもありました。ジェフ・ブリッジスが無職のダメおやじを演じた「ビッグ・リボウスキ」という映画です。この映画は、コーエン兄弟お得意の誘拐もので、同姓同名の大金持ちと間違えられて、誘拐事件に巻き込まれてしまった男ジェフリー・リボウスキの騒動を描いています。「トゥルー・グリッド」ではジェフは渋くて腕のある保安官でしたが、この作品ではとことん駄目なおじさんを好演しています。

ストーリー

舞台はジョージ・H・W・ブッシュ政権下、湾岸戦争のころのロサンゼルスです。ジェフリー・リボウスキこと“デュード”は同姓同名の大金持ちと間違えられ、闖入してきた暴漢たちにお気に入りの敷物に小便をかけられてしまいます。「妻の借金を返せ」と怒鳴られますが、デュードはそもそも結婚もしていません。金持ちに間違われたことに気付いたデュードは、敷物の弁償を求めて本物の金持ち“ビッグ・リボウスキ”を訪ねます。しかし、ビッグ・リボウスキは彼を穀潰しの怠け者と見なして、けんもほろろに追い返します。デュードは去り際に屋敷から立派な敷物を盗むことに成功します。ある日、デュードはリボウスキから頼みごとがあると呼び出されます。彼の豪邸を再び訪れたデュードにリボウスキは、妻が誘拐されたというのです。そしてデュードに「身代金の引き渡し役をやって欲しい」と頼みます。身代金は100万ドル。デュードには報酬として3万ドルくれると言います。二つ返事でそれを了承したデュード。ボウリング仲間のウォルターにその話をすると、受渡し現場に着いてきてしまいました。受渡しには1人で来いといわれていたにも関わらず、うっかり犯人に二人で来たことをばらしてしまうデュード。さらにウォルターが、この事件はリボウスキの妻による自作自演の狂言誘拐であると決めつけ、みすみす大金を彼女に与える必要はないと主張するのでした。ウォルターの妨害により、身代金の引き渡しは失敗してしまいます。気晴らしにとボウリング場に向かうデュードとウォルターでしたが、ボウリングに興じている間に100万ドルの入ったブリーフケースがデュードの愛車ごと盗まれてしまうのです。さらに最悪なことに、リボウスキの家から拝借した敷物も、何者かによって盗まれてしまいました。デュードは警察に車と敷物の盗難届を出しますが、彼の元に敷物を盗んだという女から電話が掛かってきます。デュードの敷物を持ちだしたのは、リボウスキの娘で前衛アーティストのモード・リボウスキとその一味でした。デュードを自分のアトリエに呼び出したモードは、リボウスキ家の内実を彼に暴露します。実はリボウスキは経営の手腕が全くなく、金は全て前妻の財団のものだったのです。さらに妻の誘拐騒動は、ウォルターの言った通り狂言誘拐でした。モードは身代金の奪還をデュードに依頼します。そんなデュードをドイツ訛りの誘拐犯たちが付け狙い、リボウスキの妻を街の顔役であるジャッキー・トリホーンが探しているという噂も立ち始めます。怪しげな人物たちが絡み合い、事件は一気に複雑な様相を見せ始め・・・。

キャスト

  • ジェフリー・“デュード”・リボウスキ(主人公。無職でボウリングが趣味)・・・ジェフ・ブリッジス
  • ウォルター・ソブチャック(ベトナム戦争帰りの元軍人。デュードの親友ですぐキレる)・・・ジョン・グッドマン
  • セオドア・ドナルド・“ドニー”・カラボッソス(小心者のサーファー。デュードのボウリングチームの一員)・・・スティーヴ・ブシェミ
  • ジェフリー・リボウスキ(通称“ビッグ・リボウスキ”。車椅子に乗る大富豪)・・・デヴィッド・ハドルストン
  • モード・リボウスキ(リボウスキの前妻との間の娘。フェミニストの前衛アーティスト)・・・ジュリアン・ムーア
  • バニー・リボウスキ(リボウスキの新妻。ポルノ映画に出演した過去がある)・・・タラ・リード
  • ブラント(リボウスキの忠実な秘書)・・・フィリップ・シーモア・ホフマン
  • ウーリ・コンコル(ニヒリスト集団のリーダー格)・・・ピーター・ストーメア
  • ジーザス・クィンターナ(ヴォウリング大会準決勝でのデュードたちの対戦相手。少年愛者で露出狂)・・・ジョン・タトゥーロ
  • ノックス・ハーリントン(ビデオアーティスト。モードの友人)・・・デヴィッド・シューリス
  • ダ・フィーノ(バニーの両親が雇った探偵)・・・ジョン・ポリト
  • ジャッキー・トリホーン(ポルノ映画のプロデューサーにして闇金融のボス)・・・ベン・ギャザラ
  • ザ・ストレンジャー(ボウリング場のバーにいつもいるカウボーイ風の男)・・・サム・エリオット

スタッフ

  • 監督・・・ジョエル・コーエン
  • 脚本・・・イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
  • 製作・・・イーサン・コーエン
  • 製作総指揮・・・ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー
  • 音楽・・・カーター・バーウェル
  • 撮影・・・ロジャー・ディーキンス
  • 編集・・・ロデリック・ジェイキンス、トリシア・クック
  • 製作会社・・・ワーキング・タイトル・フィルムズ

感想

コーエン兄弟のコメディ作品は、どうにも説明が難しいです。お腹を抱えて笑うシーンが沢山あるのですが、それを文字に起こしたり言葉で説明しても面白さは伝わらないと思うのです。この映画はその最たる例で、物語も複雑ならその合間合間に散りばめられた笑えるポイントも複雑です。アメリカのコメディは日本人には笑いの感性が合わないことが多いですが、この作品は日本人でも大いに笑えると思います。下ネタは万国共通だと誰かが言っていましたが、本当にそうですね。徹底的にくだらないのに、しっかりミステリーも組み込まれた物語で、結局誰が犯人なのか、悪い奴は誰か、と言うのが最後まで分からないのがすごいです。大笑いしながらも、先の読めない展開にハラハラさせられたり、最後にはなぜかジーンとくるシーンもあり。カルト的な人気が出るのも頷けます。「トゥルー・グリッド」ではあんなに渋くてカッコよかったジェフ・ブリッジスが、ボウリングしかやることがない馬鹿で駄目なおじさんの役を嬉々として演じているのがとても楽しいです。「トゥルー・グリッド」を先に観てしまうと彼のそのだらしなさにがっかりしてしまうかもしれません。でもジェフはこの脚本を読んだとき、自分はこの役をやるために生まれてきたのだと思ったそうです。確かにはまり役ですよね。また、デュードの親友のウォルターを演じたジョン・グッドマンも面白かったです。ベトナム帰りで血気盛んなデブという設定だけでも面白いのですが、常に拳銃を持ち歩いて何かにつけそれを取り出し、人々を脅すと言う最低っぷり。でも親友のことはとても大切にしていて、なんだかその2人の奇妙な友情が羨ましくなったりもします。コーエン作品ではおなじみのジョン・タトゥーロやスティーブ・ヴシェミも、脇役ながら強烈な存在感をアピールしています。好き嫌いがはっきりと分かれる映画だと思いますが、嫌なことを忘れて思いっきり笑いたいときにお勧めです。

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本当の勇気を示せ!~映画「トゥルー・グリッド」~